読売旅行
景気低迷のあおりで旅行業界も売上を伸ばすことが難しい時代だ。
そんな折に、残念なニュースが流れてきた。
読売旅行が相当以前から恒常的に、借り物の写真を無断で使用していたとうもの。
写真は著作権を持つ会社からレンタルしたもので、その写真を「勝手に」使い続けていたことになる。
つまり乱暴な言い方をすれば無銭飲食と一緒だ。
セルフサービスの食堂で、最初だけトレイにとった分の代金を払ったのだが、その後何度も追加で食べたのにその代金は払っていないということ。
著作権法違反というと手ぬるい感じだが、れっきとした犯罪行為である。
読売旅行は、全国的にこういった行為を行っていたそうで、ここまでくるとかなり「組織的」なにおいもする。
パンフレットを作成するときに、旅行者の意欲をかきたてるためにも写真はかなり重要だ。
大量にパンフレットを作るような大会社の場合には、手持ちの写真だけではとてもまかなえるものではない。通常は、お抱えの写真データを持っている会社とちゃんとお付き合いをしていて、そこから「借りる」のが一般的。たぶん読売旅行もそうしていたのだろう。
どういう契約をしたのか定かでないが、契約範囲を超えた使用をあまりにも適当にダラダラ繰り返していたんだとうかがえる。要はルーズなのだ。一部人間は確信犯だと思うけど。
そういうお抱えの会社がない旅行会社はどうするかというと、だいたい社員が撮ってきた写真で出来のいいのをつかったり、政府観光局なんかが提供している著作権フリーの写真を使ったりしている。
パンフレットを作成する部門を別会社でもつような超大手の場合は、その別会社で全て管理しているだろうから問題は生じにくいはずだ。
ここからは、私の勝手な想像なのだが、今回の読売旅行の件は旅行業界に大きな警鐘を鳴らすことになったと思う。
日ごろのルーズな、あるいは正当な代金を払わないというおかしなコスト削減意識がもたらすものは、法人であれば最高3億円という罰金である。これに個人の責任も問われるそうだ。
旅行業界は薄利な産業である。
そこへ3億もの罰金となれば、経営に影響をあたえるどころの話ではない。
読売旅行ほど悪質でないにせよ、今まで適当にやってきた会社は、実はかなり多いのではないかと思う。おそらく多くの会社で、「再点検」に入っているのではないかと察せられる。
旅行会社で、パンフレットを作る専門の人間をおけるところは多くない。
たいていが普段は別な仕事を持っていて(それだけでもかなりハードな)、そこへ季節ごとにパンフレット作成という「余分な」仕事が廻ってきて徹夜を強いられる・・・著作権を1点1点確認する意識も気力も余裕もない様子は、簡単に想像できる。
つまり、これは旅行業界に蔓延する問題であって、読売旅行はスケープゴートではないかとさえ思う。
旅行業界もいろんな淘汰を経て、健全な会社が生き残っていくことだろう。
健全というのは、しかるべき内容の旅行をしかるべき対価で正々堂々と販売し、顧客に満足を与えながら存続していける会社のことだ。
生き残り合戦は熾烈さを増しているし、顧客の旅行会社離れも加速するだろう。
知恵を出して道を探らないと、未来はあまり明るくないかもしれない。
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